2009年08月05日

死してなお、苦しみもがく、恐ろしくも哀れな異形の物達

雨月物語.jpg
古典文学の最高傑作のひとつである、上田秋成執筆による「雨月物語」です。小学生の時とかに読んだ方も多いのでは・・・。「白峯」「菊花の約」「浅茅が宿」「夢応の鯉魚」「仏法僧」「吉備津の釜」「蛇性の婬」「青頭巾」「貧福論」の九話からなる、いずれも妖怪や幽霊等の非現実の世界を描写した物語です。しかし「雨月物語」が古典文学の傑作である所以は、単なる怪談話では無い事です。ここに登場する幽霊達は、現世に生きる私達と同じように、苦しみ、もがき、その様は哀れでなりません。九話の中でも特に「菊花の約(ちぎり)」が小さい時から好きでした。義兄弟の契りを結んだ友人との再会の日を守るために、囚われの身となり身動きできなくなった主人公は「人、一日に千里をゆくことあたはず。魂、よく一日に千里をもゆく」という故事にならい、自らの命を絶ち、魂魄となり友人に会いにゆく話です。人は信義のために生き、信義のために死す。信義の重さを読む度に感じます。



posted by ツルカメ at 00:29| Comment(0) | 本のはなし・・・ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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