2013年02月28日

「小説は書くもので、打つものではない・・・・」

旅行鞄.jpg
大好きな吉村昭氏の「旅行鞄のなか」。氏が取材旅行で訪ねた街や、そこで暮らす人々等をほのぼのとしたタッチで綴る宝玉のエッセイ集です。

なかでも「鉋(かんな)と万年筆」という作品が、心をひきます。
ベテランの編集者が吉村氏にこんなことを言ったそうです。「有名な小説家が、初めてワープロを使って作品を仕上げたが、万年筆で書いていた頃のものとは微妙に違う。強いて言えば、匂いが別物なのだ」と。

吉村氏にも、編集者の言うことが理解できた。「小説は書くものであって、打つものではない」。
大工にたとえるなら、私は鉋(かんな)という万年筆を長年使ってきた。その習わしを変えられるはずはないし、変えようなどとは思わない・・・・と。

原稿用紙の枡目に一字一字文字を紡いでいた、真摯な吉村氏の姿が目に浮かびます。


posted by ツルカメ at 22:45| Comment(0) | 本のはなし・・・ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。