2014年09月16日

神のみぞ知る・・・・。

イエス.jpg
1998年発行のマイクル・コーディ作「イエスの遺伝子」。
まったく無名の新人作家の処女長編小説ですが、現代の最先端科学と、キリスト教の救世主復活の予言が巧みに絡み合った、読みごたえのある本です。
帯にある瀬名秀明さんの推薦文にあるとおり、よくあるくだらない遺伝子スリラーとは違います。

本書を初めて読んだ時は、まだ米国主導で始まったヒトゲノム解析計画は進行中の時でした。そして今、お騒がせ中の日本の理化学研究所が開発した装置・次世代シーケンサーの登場により、12年かかっていた遺伝子配列解析が、たった1日で解析できるようになり、2003年にヒトゲノム計画は完了。今ではネットで検査キットを注文して、何万円かで将来発症する病名がわかってしまう時代に・・・・。

これは果たして人類にとって幸せなことなのか。そんな想いで、本書を再読してみました。
物語では、奇跡的な治癒能力を持つイエス・キリストの遺伝子「ナザレの遺伝子」という、ちょっと荒唐無稽な万能遺伝子が登場。主人公である遺伝子学者はこの「ナザレの遺伝子」を用い娘の命を助けます。しかし万能の神となった彼は、その奇跡の治癒能力をもった遺伝子が世界中に蔓延するのを阻止しようとします。

もし誰もがみな病を治療でき、自然な病気で死ぬことがない世界が誕生したら。
世界の人口は膨らみ上がり、土地はなくなり、食料もなくなる。
そして生命に対して、あるいは死に対して敬意が払われることもなく、神もいない。
そこには苦しみばかりの「長い人生」という地獄があるばかり。

彼はそのことに気づきます。

遺伝子検査がもたらす功罪とは何か・・・・・・・。
人の運命とは「神のみぞ知る」。 それでも良いのではないでしょうか。


posted by ツルカメ at 22:40| Comment(0) | 本のはなし・・・ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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