2015年04月24日

船戸与一「人間は観念で殺人を犯す生き物」

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冒険小説の旗手であり直木賞作家の船戸与一さんが、今月22日胸腺がんのため死去。
残念でなりませんネ・・・・・・。
血湧き肉躍る「冒険小説」から日本周辺の近代史等、幅広いジャンルを執筆されていた船戸さん。
船戸さん独自の「正史」と「叛史」という理念から、描かれる正史の隅に追いやられた負け犬たちが、強者に立ち向かってゆく姿は実に感動的です。

現代のモンテクリスト伯!
生きながら亡霊となった男の
壮絶な生き様と復讐劇。

私が最初に読んだ船戸さんの小説がこの「猛き箱船」。作家 夢枕獏さんが自分の小説のあとがきに、「今最高にオモシロイのは船戸与一だ!」と書いてあったのを読んで、数十年前に本屋さんで購入しました。

街のチンピラ香坂は、派手な人生を送りたいと海外での傭兵に志願。しかし仲間の裏切りにあい、ポリサリオ解放戦線の捕虜になってしまう。そこから香坂の凄惨な復讐劇が始まります。
船戸与一だからこそ描ける、骨太の物語。
たしかに代表作である「山猫の夏」や「砂のクロニクル」はおもしろいですが、個人的にはこの「猛き箱船」がイチバンですね!

以前、新聞で船戸さんが語っていた「人の過激な行動を支えるのは、人でなければ持ち得ない観念である。動物は腹が減らなければ、獲物を襲わない」という記事を読んだことがあります。
世界の紛争地帯で起こる、観念の暴力。船戸さんにはまだまだこの手の小説を描いてもらいたかったです・・・・。






posted by ツルカメ at 21:21| Comment(0) | 本のはなし・・・ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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